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一般社団法人の設立方法|要件・流れ・費用・必要書類を行政書士が解説

一般社団法人の設立をお考えの方へ|本記事の要点

  • 設立期間:約3〜4週間(書類準備〜登記完了まで)
  • 設立に必要な人数:最低2名(社員2名+理事1名、兼任可)
  • 設立にかかる法定費用:約11万円(株式会社の約半額)
  • 普通型と非営利型の選択が設立後の税務に大きく影響
  • ご自身での設立も可能、専門家への依頼も可能

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行政書士法人MOYORIC|設立実績150法人以上・相談件数300件超

【徹底解説】一般社団法人設立の要件

最寄りの頼れる専門家、行政書士法人MOYORIC(モヨリック)の津田です。

当記事では、一般社団法人の設立をお考えの方に向けて、設立要件のポイントについて、わかりやすく解説していきます。

この記事は、当サイト運営者「行政書士法人MOYORIC(モヨリック)」が執筆、監修しています。
弊社は、平成18年の創業以来、延べ1,000社以上の法人様をサポートしています。

一般社団法人の設立・運営に関することなら、どのようなことでもお気軽にご相談くださいませ(お問い合わせはこちら)。

行政書士津田拓也行政書士
社労士
津田 拓也

一般社団法人の設立要件は、次の3つに分類することができます。

  1. 設立手続きに関する要件
  2. 機関(役員・人)に関する要件
  3. 運営その他に関する要件

一般社団法人をスムーズに設立する為には、これらの要件を全て把握しておく必要があります。

また、一般社団法人はその設立後の運営においても、遵守しなければならない事項がいくつか定められています。

この記事では、以下のポイントをわかりやすく具体的に解説していきます。

一般社団法人の設立で最初に押さえるべき5つのポイント

一般社団法人の設立をご検討される際に、まず最初に把握しておきたいのが、設立にかかる期間・費用・必要な人数、法人類型(普通型/非営利型)の選択、そして設立までの大まかな流れです。

本格的な要件解説に入る前に、これら5つのポイントを整理しておくことで、その後の各論がスムーズにご理解いただけるかと思います。

  • 設立にかかる期間約3〜4週間(書類準備〜登記完了まで)
  • 設立にかかる法定費用約11万円(公証人定款認証手数料約5万円+登録免許税6万円)
  • 必要な人数最低2名(社員2名以上+理事1名以上、社員と理事は兼任可)
  • 法人類型の選択普通型と非営利型の2種類(税制が大きく異なる)
  • 設立の大まかな流れ定款作成 → 公証役場で定款認証 → 法務局で設立登記の3ステップ

なぜ最初にこの5点を押さえるべきか

一般社団法人の設立は、株式会社の設立(法定費用約24万円・最低1名)と比較しても、必要な人数や法定費用の面で着手しやすい法人形態です。

一方で、普通型と非営利型のいずれで設立するかという選択は、設立後の税務面に大きな影響を及ぼします。普通型は株式会社と同じくすべての所得が課税対象となる一方、非営利型は収益事業以外の所得が非課税となる優遇措置があります。

また、設立そのものは3〜4週間で完了しますが、その前段階で定款の内容、社員・理事の構成、主たる事務所の選定など、検討すべき事項が多数あります。

そこで本記事では、上記5つのポイントに加えて、設立に必要な要件・流れ・費用・必要書類・普通型と非営利型の違い・自分で設立する場合と専門家に依頼する場合の判断・設立後に必要となる手続きまで、一般社団法人の設立に関わる事項を網羅的に解説していきます。

すでに「メリット・デメリットを詳しく知りたい」「設立の流れを7ステップで具体的に確認したい」という方は、下記の個別記事もあわせてご覧ください。

一般社団法人設立のメリット・デメリット

一般社団法人設立の流れ(7ステップ)

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一般社団法人を設立するための要件

一般社団法人の設立要件は、大きく次の3つに分類することができます。

  1. 設立手続きに関する要件
  2. 機関(役員・人)に関する要件
  3. 運営その他に関する要件

以下、3つの要件をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1. 設立手続きに関する要件

設立手続きに関する要件

まずは「設立手続きに関する要件」から解説していきます。
ここでのポイントは、次の2つです。

  • 一般社団法人の定款は設立時の社員が作成、公証人の認証を受けなければならない
  • 法務局で一般社団法人の設立登記手続きが必要

解説

一般社団法人は、法務局で設立登記申請を行うことによって設立されます。

法務局は全国各地にありますが、どこの法務局でも良いわけではありません。「主たる事務所を管轄する法務局」で行う必要があります。

「主たる事務所」とは、法人の拠点となる住所のことです。法人の拠点をどこに置くかで管轄の法務局が決まります。

*参考ページ:一般社団法人の主たる事務所について

例えば、東京都中央区で設立する場合は、管轄法務局は東京法務局本局、東京都新宿区で設立する場合は東京法務局新宿出張所になります(法務局の管轄:法務省HP)。

公証役場での定款認証とは

一般社団法人は社員2名以上が集まって共同して定款を作成し、公証役場で認証を受けなければなりません。これを「定款認証」といいます。

法務局と同様で、定款認証を受ける公証役場も管轄が決められています。

定款認証の管轄は、「主たる事務所を置く都道府県内の公証役場」です。
先程の例で言うと東京都中央区、東京都新宿区に置く場合は東京都内にある公証役場であればどこでも構いません。
最寄りの公証役場を選択されると良いかと思います(公証役場の管轄:公証人HP)。

ちなみに定款認証とは、適法に定款が作成されたことを公証人が証明することを言います。

この認証行為は公証人のみの権限とされておりますので、公証役場以外では認証を受けることはできません。
また、公証役場で認証を受けていない定款は、法務局では受理されません。

一般社団法人は、「準則主義(上記の法的な要件を満たし、必要書類を揃えて登記手続きを行えば設立が可能。特別な許認可必要ない)」を取っており、設立手続きの流れも、株式会社と非常に良く似ています。

一般社団法人の「設立の流れ」は、下記ページで詳しく解説しています。
設立フローを確認しておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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津田 拓也

*参考ページ:一般社団法人設立手続の流れ・フローは全部で7ステップ!

NPO法人とは何が違う?

一般社団法人と同じく非営利法人に分類されるNPO法人については、一般社団法人とは根本的に手続きの内容が異なります。

公証役場での定款認証は不要ですが、監督行政庁(認証権及び監督権を持つ行政機関、原則は都道府県知事又は市区町村長)から設立の認証を受ける必要があります。

*参考ページ:一般社団法人とNPO法人との違いとは

2-2. 機関構成についての主な要件

「機関」構成についての主な要件

次に、「人に関する要件」を見てみましょう。

  • 社員(設立発起人)2名以上が必要
  • 理事(任期は2年以内)を必ず置かなければならない
  • 社員総会は必ず置かなければならない
  • 理事等は、社員総会の決議によって選任しなければならない
  • 理事等が欠格事由に該当していないこと(一般社団法人の役員になれない人:役員の欠格事由

解説

一般社団法人の設立には、2名以上の社員が必要です。社員とは、職員・従業員という意味ではありません。

一般社団法人法上の社員とは、一般社団法人の最高意思決定機関である社員総会で議決権をもつ人(又は法人)を言います。

分かりやすく説明すると、株式会社の「株主」のような存在です。とは言え、一般社団法人の社員は、株式会社の株主のように出資(株式発行の対価として金銭等を支払う)を行う必要はありません。

株式会社の株主は金銭等を払わなければ株主たる地位に付くことはできませんが、一般社団法人の社員は違います。社員になるために金銭等を支払う義務はありません(もちろん、自らが一般社団法人に掛かる経費を負担することは可能です)。

一方で、株主のように配当権等はありませんし、余剰利益や残余財産の分配を受けることもできません

一般社団法人法上の社員とは、一般社団法人を支えていくサポーターのような存在です。

*参考ページ:一般社団法人の設立時社員について

一般社団法人の必置機関とは

一般社団法人に必ず置かなければいけない機関は「社員総会」「理事」です。

前述の通り、社員総会は、社員で構成される一般社団法人の意思決定機関です。
一般社団法人の組織運営、管理など、法人に関する事項について決議をすることができます。
社員の議決権は原則1人1票ですが、各社員ごとに定めることもできます。

そして、理事は1名以上必要です。
理事は社員総会から社員の決議によって選任されます。

理事が2名以上いる場合は、原則各理事が法人を代表しますが、理事の中から代表理事1名を決めることもできます。

最小人数は2名なので、夫婦で設立も可能

最小規模で一般社団法人を運用する場合、機関構成は「社員総会」+「理事」となります。
社員総会は、社員2名、理事1名が最低限必要です。
ですが、社員と理事は兼任が認められているので、最小人数2名で一般社団法人の設立ができます。

社員になれる者に特別な制限はなく、夫婦、親子、友人同士での設立も可能です。

なお、一般社団法人は「理事会」を設置することも可能です。
理事会を設置する場合は、理事が3名以上、監事が1名以上が必要です。

理事会を設置するかどうかは法人の規模、対外的信用の必要性等を考慮して決定します。

ただし、理事会を設置することによって、運営における事務負担も増えます。
理事会を置くかどうかは、メリット・デメリットを理解したうえで決めましょう。

*参考ページ:一般社団法人の理事会について

一般社団法人の機関と役割の早見表

「社員」「理事」「監事」「理事会」など、一般社団法人の機関は混同されやすい概念です。それぞれの役割を整理すると以下のとおりです。

機関 役割 必置/任意
社員総会 法人の最高意思決定機関。理事の選任、定款変更、計算書類の承認等を行う 必置
理事 法人の業務を執行する・原則として各理事は代表者。日常業務、契約締結、対外的な意思表示を行う 必置(1名以上)
代表理事 理事の中から選定される法人代表者。登記簿に氏名・住所が記載される。理事が1名の場合は当然に代表理事となる。 任意(複数理事の場合)
理事会 理事3名以上で構成される業務執行決定機関。代表理事の選定等を行う 任意
監事 理事の業務執行を監督・監査。会計帳簿等の調査、社員総会への報告を行う 原則任意(理事会設置時は必置)

多くの一般社団法人は、必置である「社員総会+理事1名以上」のシンプルな機関構成で設立されています。理事会・監事は、規模や対外的信用の必要性によって追加するかどうかを検討します。

理事会を設置すべきか|弊社の判断基準

弊社で「理事会を設置すべきか」とご相談いただいた際、設置をおすすめする/おすすめしない判断は、主に以下の観点で行っています。

観点 理事会設置を勧めるケース 勧めないケース
法人規模 中〜大規模(会員が多い、事業規模が大きい) 小規模(数名〜数十名規模)
役員構成・人数 役員候補が複数おり、組織的な意思決定をしたい 少人数(理事1〜2名)で機動的に運営したい

理事会設置型の場合、理事3名以上+監事1名以上の人員確保、理事会の招集・議事録作成等の運営事務が必要となります。対外的信用の向上というメリットと、運営事務の増加というデメリットのバランスで判断することになります。

2-3. 運営・その他についての主な要件

「運営」「その他」についての主な要件

その他、「設立後の要件」も法定されています。
一般社団法人という法人格固有の特徴を、設立前に正確に把握しておくことで、設立後の運営をスムーズに行うことができます。

  • 社員や設立者に剰余金、残余財産を受ける権利を与えてはならない
  • 行政に監督されることがなく、簡易な手続で設立が可能な代わりに、自主的、自立的な運営が必要
  • 事業年度毎の計算書類、事業報告等の作成、事務所への備え置き及び閲覧等による社員、評議員、債権者への開示が必要
  • 貸借対照表の公告が必要

解説

一般社団法人が営利を目的としない「非営利法人」とされているのは、社員への利益分配を目的としない法人だからです。
余剰利益や残余財産を社員に自由に分配できるのであれば、営利法人である株式会社と何ら変わらなくなってしまいます。

社員へ利益分配を行わない点を守ることができれば、収益事業を行い「利益を法人の活動経費に充てること」「法人の目的を達成するために使うこと」は何ら問題ありません。
一般社団法人の役員に報酬を、職員に給料を支払うことも、もちろん可能です。

「非営利」とは「利益を上げてはいけない」ことではありませんので、誤解のないようにしておきましょう。

*参考ページ:一般社団法人は給料を受け取ってもいいの?


一般社団法人はNPO法人とは異なり、法人設立後に行政機関に監督されることがありません。
事業内容にも制限はありませんので、どのような事業でも自由に行うことができます。
逆に言うと、法律を遵守し、自主的、自立的な運営を行う必要があるということでもあります。

一般社団法人の役員には任期があり、役員任期ごとに法務局で「役員変更登記」を必ず行わなければなりません。

その他にも、毎事業年度の決算終了後に「決算公告」を行い、財務状況などの情報公開を行う必要があります。
事業年度ごとに、貸借対照表や損益計算書等の計算書類、事業報告書を作成して定時社員総会に提出し、計算書類に関しては社員総会の承認を受けます。

「監事設置法人」であれば、監事による監査を受ける必要があります。
社員総会で承認を受けた貸借対照表は、法人の定款で定めた公告方法により公告を行います。


ここまで一般社団法人を設立するための「要件」を見てきました。
次は、一般社団法人を設立するために「準備しなければならないもの」を解説していきます。

行政書士津田拓也行政書士
社労士
津田 拓也

一般社団法人設立の流れ|7ステップで完了

一般社団法人の設立は、大きく分けると次の7つのステップで完了します。

【一般社団法人設立の7ステップ】

  1. 設立時の社員(2名以上)が集まって法人化を決定
  2. 定款の作成
  3. 公証役場で定款の認証を受ける
  4. 設立書類の作成
  5. 主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記の申請
  6. 登記完了後、登記事項証明書や印鑑証明書を取得
  7. 各役所(税務署や年金事務所)へ法定の届出

このうち、設立そのものの核となる手続きは、「定款の作成」「公証役場での定款認証」「法務局への設立登記申請」の3つです。この3つの手続きが完了することで、一般社団法人は法的に成立します。

標準的な所要期間:約3〜4週間

設立準備(定款の検討、社員・理事の選任、主たる事務所の決定など)が整っている状態から、定款認証、設立登記、登記完了まで、標準的には約3〜4週間で完了します。

各ステップの目安期間は次のとおりです。

ステップ 目安期間
①定款の作成・社員/役員の決定 数日〜1週間
②公証役場での定款認証 当日〜数日
③設立登記の申請 申請日 = 法人成立日
④登記完了(証明書発行可能に) 申請から約1〜2週間
⑤各種届出(税務署等) 登記完了後 速やかに

法務局へ登記を申請した日が、一般社団法人の成立日となります。登記そのものの完了には1〜2週間ほどかかりますが、その間も法人として活動を開始することは可能です。

7ステップの詳細解説はこちら

各ステップの手続きの詳細、必要となる書類、注意点、自分で進める場合のコツなどは、下記の「設立の流れ」専門ページで詳しく解説しています。

「ステップごとに何をすればよいか具体的に知りたい」という方は、必ず併せてご確認ください。

一般社団法人設立の流れを公益法人制度の専門家がわかりやすく解説

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津田 拓也

一般社団法人設立にかかる費用

一般社団法人をご自身で設立される場合の法定費用は、合計で約11万円です。株式会社の設立費用(約24万円)と比較すると、約半額で設立可能であることが、一般社団法人の特徴のひとつです。

法定費用の内訳

項目 金額 備考
公証人による定款認証手数料 約5万円 公証役場に支払い
登録免許税 6万円 法務局で設立登記時に納付
登記事項証明書・印鑑証明書等の実費 数千円 複数枚取得が一般的
合計(法定費用) 約11万円 専門家への報酬は含みません

なお、一般社団法人の定款には、株式会社や合同会社のように収入印紙(4万円)を貼付する必要はありません。紙定款・電子定款のいずれでも費用は変わらないため、ご自身で設立される場合でも、電子定款化による特別な節税メリットはありません。

株式会社・合同会社・NPO法人との比較

他の法人格と比較した場合、一般社団法人の設立費用は次のような位置づけになります。

法人格 法定費用(目安) 備考
一般社団法人 約11万円 資本金不要
株式会社 約24万円 資本金1円以上、認証手数料は資本金によって変動
合同会社 約10万円 定款認証は不要
NPO法人 0円 所轄庁の認証が必要、設立まで約4〜6か月

設立時の費用は誰が立て替えるか

一般社団法人には資本金や出資の概念がないため、設立時の費用(公証人手数料・登録免許税等)を、まだ存在しない法人が直接支払うことはできません。実務上は、設立時社員のいずれか(多くは代表理事就任予定者)が立て替えて支払い、法人成立後に法人から精算するのが一般的です。

立て替えた費用は、法人成立後に「創立費」として法人の経費に計上することができます。会計処理や税務上の取扱いについては、税理士への確認をおすすめします。

なお、設立後の運営資金についても、当面は設立時社員からの寄付・貸付や、会費収入の前納などで賄うケースが多く見られます。設立直後の資金繰りについても、設立準備段階で計画しておくのが望ましいでしょう。

専門家に設立を依頼する場合の費用

設立手続きを行政書士・司法書士等の専門家に依頼される場合は、上記の法定費用に加えて、専門家への報酬が別途必要となります。報酬額は事務所や対応範囲によって異なりますが、一般的には5万円〜20万円程度が目安です。

弊社(行政書士法人MOYORIC)の設立フルサポートサービスの詳細・料金プランは、下記サービスページをご覧ください。

*参考ページ:一般社団法人設立フルサポートサービス(料金プラン) / 一般社団法人の設立に必要な費用(法定費用の詳細)

設立後にかかる費用にも要注意

一般社団法人は設立時の費用だけでなく、設立後の運営にも継続的な費用がかかります。

例えば、2年に一度の役員変更登記には登録免許税(1万円)、毎事業年度の決算公告のための費用、税理士等への顧問料などです。設立を検討される際は、運営費用も含めた総合的な視点での検討をおすすめします。

*参考ページ:一般社団法人の運営費用(ランニングコスト)

一般社団法人設立に必要な書類・準備物

一般社団法人の設立の為に準備するもの

これからご紹介する書類などは、設立登記申請で欠くことのできないものばかりです。
設立手続きに入る前に必ずご確認ください。

一般社団法人の設立に必要なものリスト

  1. 設立時社員の印鑑証明書
  2. 設立時役員の印鑑証明書
  3. 個人の実印
  4. 法人の実印
  5. 主たる事務所の住所

(1)設立時社員の印鑑証明書

設立時の社員となる人、全員分の印鑑証明書が各1通ずつ必要です。
設立時社員の方の印鑑証明書は、公証人役場に提出しますが、提出する時点で発行から3ヶ月以内のものが必要です。

設立時社員が法人の場合は、その法人の印鑑証明書と登記事項証明書(登記簿謄本)が必要です。こちらも共に発行から3ヶ月以内のものが必要です。

(2)設立時役員の印鑑証明書

設立時の理事に就任する人、全員分の印鑑証明書が各1通ずつ必要です。
設立時役員の印鑑証明書は、法務局に提出しますが、提出する時点で発行から3ヶ月以内のものが必要です。

理事会を設置する場合、代表理事以外の理事に就任する人は、印鑑証明書以外の「住民票」「免許証」のコピーに原本証明をしたもの等、でも構いませんが、役員全員が印鑑証明書を用意すれば間違いありません。

なお、設立時社員と設立時役員が同一人物の場合、印鑑証明書は各1通、合計2通準備しておきましょう。

(3)個人の実印

印鑑証明書に登録されている個人の実印を用意します。

設立時社員個人の実印は、定款や設立時理事の選任、主たる事務所所在場所の決定書等の書類に押印します。
設立時役員の個人の実印は、就任承諾書、設立時代表理事選定書等の書類に押印します。

(4)法人の実印

設立する一般社団法人の実印となる「法人実印」を用意します。
法務局へ設立登記の申請を行う際に登録する印鑑が、一般社団法人の「法人実印」となります。
法人実印は、「一般社団法人設立登記申請書」や「登記委任状」等に押印します。

法人実印のほか、【銀行印】【角印(認印)】【ゴム印】なども揃えておくと、設立後の法人運営事務がスムーズです。

印鑑の種類 用途など
法人実印 一般社団法人設立登記申請書や登記委任状など
銀行印 口座開設時に銀行に届け出る
角印(認印) 請求書や領収書などの一般的な書類
ゴム印 会社の社判として、会社所在地や法人名、代表者名を記名するときなど

法人実印は各種契約時に、銀行印は銀行口座の開設時に、角印は請求書や領収書に押印するいわゆる認印のようなものです。

印鑑を発注してから納品されるまで時間がかかることがあるので、設立を早くに行いたい場合は、名称調査が済んだ時点で注文しておきましょう。
街のハンコ屋さんよりもインターネットの方が安価で購入できるケースが多いので、印鑑の材質等にこだわりがないということであれば、ネット上のハンコ屋さんで注文されるとよいかと思います。

ただ、印鑑は何十回、何百回と使用するものでありますので、あまりにも安すぎるものはお勧めできません。

なお、弊社でも法人実印の販売をしておりますので、ご入用の際はご利用くださいませ。
品質重視、最短即日発送も可能です。

*便利な法人印鑑セットはこちら:行政書士法人MOYORICの法人実印作成サービス

(5)主たる事務所の住所

一般社団法人の活動拠点を「主たる事務所」といいます。

株式会社の本店所在と同じような意味合いです。
この主たる事務所の住所は、定款には最小行政区までの記載で構いません。

例えば、「東京都中央区」「兵庫県神戸市」「神奈川県横浜市」などの記載で留めることができますが、法務局へ登記申請をする際には、正確な番地までの記載が必要になります。

なお、主たる事務所を「どこに置くか」の制限は特にありません。

賃貸事務所、テナント、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなど法人登記が可とされているところであれば、どこでも構いません。自宅でも登記可能です。

ただし自宅の「マンション・アパート」などを主たる事務所とする場合は、登記の前にその物件のオーナーや管理組合などに「事業用として物件利用が可能か」の確認を取っておきましょう。
仮に、事業用としての物件利用が不可の場合でも、登記はできますが(法務局で審査があるわけではありません)、契約違反となり何らかの罰則、ペナルティーが課せられる可能性があります。
もし退去を命じられた場合は、設立登記をしてすぐに移転登記を行わなければならなくなります。

主たる事務所の選定は、物件の所有者などの関係各所に確認を取りつつ、行うようにしてください。

*参考ページ:一般社団法人設立の必要書類 / 一般社団法人の設立に必要な費用(法定費用)

普通型と非営利型の違いと選択の考え方

一般社団法人を設立する際、税法上の取扱いの観点から、「普通型」と「非営利型」のいずれかに区分されます。

この区分は、設立時にどちらかを宣言するというものではなく、定款の内容と機関構成によって税法上どちらに該当するかが定まる仕組みです。設立後の税務に大きな影響を与えるため、設立前の最重要検討事項のひとつと言えます。

普通型と非営利型の根本的な違い

普通型と非営利型の最大の違いは、課税対象となる所得の範囲です。

項目 普通型一般社団法人 非営利型一般社団法人
税法上の区分 普通法人 公益法人等
課税対象 すべての所得 収益事業から生じた所得のみ
会費・寄付金収入 課税対象 原則非課税
定款・機関構成の要件 特になし 法人税法上の要件を満たす必要あり

非営利型一般社団法人では、収益事業に該当しない会費・寄付金等について、法人税の課税対象外となる場合があります。ただし、会費という名称であっても、特定のサービス提供の対価と評価されるものや、収益事業に関連して受け取る収入については、個別の税務判断が必要です。

非営利型として認められるための要件

非営利型の一般社団法人として税法上認められるためには、「非営利徹底型」または「共益活動型」のいずれかの要件を満たす必要があります。代表的な要件は以下のとおりです。

  • 剰余金の分配を行わない旨を定款に定めていること
  • 解散時の残余財産を国・地方公共団体・公益法人等に帰属させる旨を定款に定めていること
  • 理事のうち、その理事と特殊の関係にある者の合計数が理事の総数の3分の1以下であること
  • 過去に上記の要件を満たさない経営をした事実がないこと

これらの要件は、定款の作成段階から慎重に設計する必要があります。特に「特殊関係者」の判定や「剰余金の分配を行わない」旨の文言には、税法上の正確な理解が求められます。要件を満たさない定款で設立してしまうと、非営利型の税制優遇を受けられず、結果的に普通法人として課税される事態が生じます。

*参考ページ:非営利型一般社団法人とは? / 普通型と非営利型の違いとは?

補足:「収益事業」とは何か

非営利型一般社団法人で課税対象となる「収益事業」とは、法人税法施行令第5条で定められた34種類の事業を指します。物品販売業、不動産貸付業、製造業、請負業、出版業、写真業、駐車場業、医療保険業など、幅広い事業が該当します。

注意したいのは、「会費収入」「寄付金収入」「補助金収入」は法人税法上の収益事業に該当しないため、非営利型では非課税となる点です。

一方、業界団体・協会等でよくある「講習会や認定試験の開催」「テキストの販売」「セミナー受講料」などは、「請負業」「物品販売業」等として収益事業に該当する場合があります。同じ「協会活動」であっても、その内容によって課税/非課税の判定が変わるため、設立前に税理士等への確認をおすすめします。

弊社では非営利型での設立をご支援する際、設立予定事業が収益事業に該当するかどうか、必ず事前に税務署へ確認していただくようご案内しています。同じような事業内容でも、運用方法によって判定が異なるケースがあるため、設立後のトラブル回避には事前確認が有効です。

*参考ページ:一般社団法人の税制について

どちらを選ぶべきか|判断基準

普通型と非営利型のどちらが適しているかは、法人の事業内容と財源構成によって異なります。一般的な判断軸を整理すると、以下のようになります。

非営利型が向いているケース 普通型が向いているケース
会費・寄付金が主な財源 収益事業が主な財源
業界団体・協会・学会・研究会など 営利性の高いサービス提供を行う
公益性のあるイメージを打ち出したい 剰余金の柔軟な活用を重視したい
将来的に公益認定取得も視野に入れる 機関設計の自由度を最大化したい

設立後の型変更について

一般社団法人は、設立後に普通型から非営利型へ(またはその逆へ)移行することも可能です。ただし、定款変更・機関構成の調整・税務署への届出など、複数の手続きが必要になります。

後から変更も可能とはいえ、設立段階で適切な型を選んでおくことで、その後の手続き負担を大幅に減らすことができます。

*参考ページ:普通型から非営利型への変更手続

専門家への相談をおすすめする理由

普通型と非営利型の選択は、設立後の税務・運営に大きな影響を与える重要な意思決定です。事業内容や財源構成によって最適解が異なるため、設立前に専門家へご相談いただくことを強くおすすめいたします。

弊社では、行政書士・社会保険労務士による法人設計のご相談に加え、必要に応じて非営利法人に精通した提携税理士もご紹介可能です。

行政書士津田拓也行政書士
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弊社の一般社団法人設立サポート実績データ

弊社(行政書士法人MOYORIC)では、設立実績150法人以上、相談件数300件超の実績がございます。直近のご依頼内容から、実際のデータをご紹介します。

ご依頼の多い業種・業態

弊社へご依頼いただくお客様の業種・業態として、特に多いのは以下の分野です。

  • 資格認定団体(民間資格の認定・運営、検定試験の実施など)
  • 医学系団体(学会、研究会、医療従事者の業界団体など)
  • スポーツ団体(競技団体、スクール、地域スポーツ振興など)
  • 福祉団体(福祉事業の支援、地域福祉、当事者団体など)

これらの分野は、「会員制度の設計」「資格認定システムの整備」「税務上の取扱い」など、定款設計の段階で慎重な検討が必要な要素を多く含んでいます。弊社では、業界ごとの実務的なノウハウに基づいたサポートを提供しています。

その他にも、任意団体の法人化案件も多くお受けしており、会員引継ぎや財産承継など、任意団体特有の論点にも対応しています。

*参考ページ:任意団体の一般社団法人化について

普通型と非営利型の選択比率

直近のご依頼では、普通型:約6割/非営利型:約4割という比率になっています。

「一般社団法人=非営利型」というイメージをお持ちの方も多いのですが、実際には事業内容や財源構成によって普通型を選ばれる方も多いのが現状です。普通型と非営利型は、それぞれメリット・デメリットがあるため、設立前にご自身の事業に適した型を慎重に選択することが大切です。

ご依頼から設立完了までの目安期間

弊社にご依頼いただいた場合の標準的な所要期間は、以下のとおりです。

法人類型 標準的な期間 備考
普通型 3週間〜 最少人数2名で押印作業がスムーズな場合は短縮可
非営利型 1か月〜 登場人物が多く、定款内容の確定や押印作業に時間を要する

非営利型は、定款で「剰余金の不分配」「残余財産の帰属」「特殊関係者の比率」など、税法上の要件を満たすための慎重な設計が必要となります。また、理事会・監事を設置するケースが多く、押印作業に関わる人数が増えるため、普通型と比較して期間がやや長くなる傾向にあります。

自分で設立する場合と専門家に依頼する場合

一般社団法人の設立は、ご自身で進めることも、行政書士・司法書士等の専門家に依頼することも可能です。どちらの方法が適しているかは、法人の規模、定款設計の複雑さ、設立後の運営をどこまで自分で対応するか、などによって判断することになります。

どちらが向いているか|判断基準

ご自身で設立しやすいケース 専門家への依頼をおすすめするケース
普通型で設立予定 非営利型で設立したい
社員2名・理事1名の小規模構成 理事会・監事を設置する中〜大規模構成
定款の内容が一般的・シンプル 会員制度・代議員制度などを設けたい
設立を急がない(数か月かけて準備可能) できるだけ早く・確実に設立したい
設立後の運営も自分で調べる時間がある 設立後の運営面まで安心して任せたい
任意団体からの法人化ではない 任意団体の法人化で財産・会員引継ぎがある

ご自身で設立する場合のメリット・デメリット

メリット:費用を法定費用(約11万円)のみに抑えることができます。書式集やマニュアルを活用すれば、書類作成自体はご自身でも可能です。

デメリット:定款の内容に不備があると公証役場や法務局で受理されず、差し戻しになる場合があります。特に非営利型を狙う場合、税法上の要件を満たすための定款設計が難しく、設立後に税務上の優遇を受けられない事態が生じることがあります。

*参考ページ:一般社団法人の設立は難しい?自分で設立できますか?

専門家に依頼する場合のメリット・デメリット

メリット:定款の作成・チェック、公証役場や法務局との連絡対応、設立後の届出まで含めて一括対応してもらえます。特に非営利型の設計、機関構成の最適化、任意団体からの法人化案件など、判断が複雑なケースで安心です。

デメリット:法定費用に加えて、専門家への報酬(5万円〜20万円程度)が別途必要となります。

弊社のサポート体制

弊社(行政書士法人MOYORIC)では、一般社団法人設立フルサポートサービスとして、設立前のご相談、定款作成、公証役場での定款認証手続きのサポート、設立に必要となる書類準備まで一貫して支援いたします。

なお、法務局への設立登記申請については、提携司法書士と連携して対応いたします。

行政書士・社会保険労務士のダブル資格により、設立後の社会保険・労働保険手続まで含めた対応が可能です。税務面では、必要に応じて非営利法人に精通した提携税理士もご紹介しています。

ご依頼・お見積もりのご相談はお問い合わせフォームより承っております。ご自身で進めるか専門家に依頼するか迷われている段階でも、お気軽にご相談ください。

一般社団法人設立フルサポートサービスの詳細・料金プラン

行政書士津田拓也行政書士
社労士
津田 拓也

設立後に必要な手続き

一般社団法人は法務局への登記申請日に成立しますが、その後も税務署・年金事務所等への各種届出法人銀行口座の開設定時社員総会の開催など、運営上必要な手続きが続きます。

設立後に必要となる主な手続きを整理すると、以下のとおりです。

設立直後の届出(登記完了後)

  • 税務署:法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など
  • 都道府県税事務所・市区町村役場:法人設立届出書
  • 年金事務所:健康保険・厚生年金保険新規適用届(社会保険加入義務がある場合)
  • ハローワーク・労働基準監督署:労働保険・雇用保険関係(従業員を雇用する場合)

特に税務署への設立届出書は設立日から2か月以内、青色申告の承認申請は設立日から3か月以内に提出が必要です。期限を過ぎると税務上の不利益が生じる可能性があるため、登記完了後は速やかな対応をおすすめします。

*参考ページ:設立後に行う各種手続きと届出 / 一般社団法人の税務の届出

法人銀行口座の開設

事業活動を本格化させるには、法人名義の銀行口座開設が不可欠です。法人口座の開設には、登記事項証明書、印鑑証明書、定款のコピー、法人実印などが必要となります。

銀行によっては審査に1〜2週間程度かかる場合があるため、設立登記完了後は早めに手続きを開始するのが良いでしょう。

*参考ページ:法人名義の銀行口座開設手続き

継続的に必要となる運営手続き

一般社団法人は、設立後も法律に基づいた継続的な運営事務が必要です。主なものは以下のとおりです。

手続き 頻度・期限 概要
定時社員総会 毎事業年度終了後 計算書類の承認、事業報告など
議事録の作成・保存 都度 主たる事務所に10年間保存
決算公告 毎事業年度 貸借対照表の公告
役員変更登記 理事は2年に1回、監事は4年に1回 同じ人が再任する場合も登記が必要
税務申告 毎事業年度 法人税・地方税・消費税(該当する場合)

特に役員変更登記は登記懈怠(怠ること)が過料の対象となります。同じ理事が継続して務める場合でも、任期満了ごとに「重任」の登記が必要となる点にご注意ください。

*参考ページ:理事の重任・再任手続き / 一般社団法人の確定申告

一般社団法人設立でよくある失敗・注意点

これまで150法人以上の一般社団法人設立をサポートしてきた中で、ご自身で設立された方や、別事務所で設立された後にご相談に来られた方の事例から、特に多く見られる失敗・注意点をご紹介します。

これから設立を検討される方は、ぜひ事前にご確認ください。

失敗①:事業目的の記載が抽象的すぎる/具体的すぎる

定款に記載する「事業目的」は、抽象的すぎても、具体的すぎても後の事業展開に支障が出ます。

抽象的すぎる場合、許認可が必要な事業(例:労働者派遣、宅地建物取引業、有料職業紹介など)を行う際に、定款の目的に該当する記載がないとして許認可申請が通らないことがあります。

逆に具体的すぎる場合、将来事業を拡大したい時に、その都度定款変更(社員総会決議+登記)が必要となります。

事業目的は、将来の事業展開を見据えた中庸な記載が望ましく、設計には経験が問われる部分です。

失敗②:非営利型の要件を満たさない定款で設立

非営利型を目指して設立したつもりが、定款の内容や機関構成が税法上の要件を満たしておらず、税務署から「普通法人」として扱われる事例があります。

特に多いのは、定款に「剰余金の分配を行わない旨」「残余財産の帰属先」の記載が不適切なケース、理事のうち特殊関係者の比率が3分の1を超えてしまうケースです。

非営利型での設立を確実にするには、設立前段階での定款設計と機関構成の精査が不可欠です。

失敗③:主たる事務所の物件選定で後悔

主たる事務所として自宅マンションを登記した後、管理組合や賃貸契約で「事業用利用不可」と判明し、退去を求められるケースがあります。

この場合、設立後すぐに本店移転登記(登録免許税3万円〜6万円が別途必要)を行わなければならず、設立費用が膨らみます。

賃貸物件・分譲マンションを主たる事務所とする場合は、登記前に必ずオーナー・管理組合の承諾を得てください。

失敗④:公告方法と主たる事務所のミスマッチ

定款で公告方法を選択する際、「当法人の公告は、当法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法により行う」(いわゆる「掲示公告」)を選ぶケースがあります。これは官報公告や電子公告と比べて費用負担が最も少なく、設立時の手軽さから選ばれることが多い方法です。

ところが実際には、主たる事務所の物理的環境によっては、この掲示公告が現実的に実施できないケースがあります。例えば次のような場合です。

  • 主たる事務所が自宅マンションの一室で、共用部に外部向けの掲示スペースがない
  • 主たる事務所がセキュリティのあるオフィスビル内で、関係者以外が立ち入れない
  • 主たる事務所がレンタルオフィス・バーチャルオフィスで、自社専用の掲示場所を持たない
  • 同居の他社・他団体の事務所内に置いており、自社用の掲示スペースを確保できない

これらの場合、定款上は「掲示公告」を採用しているにもかかわらず、実際には掲示ができていない状態になります。決算公告は法律上の義務であるため、実態として公告が実施できていない状態は望ましくありません。

定款の公告方法は、主たる事務所の物理的環境と整合する形で選択する必要があります。掲示が現実的に難しい場合は、設立当初から官報公告(年間約7万円〜)、電子公告(自社ウェブサイト上での公告)、日刊新聞紙への掲載といった他の方法を検討すべきです。

なお、設立後に公告方法を変更することも可能ですが、定款変更(社員総会決議)と登記変更(登録免許税3万円)が必要になります。設立段階で適切な方法を選択しておくことで、後の手続き負担を回避できます。

*参考ページ:一般社団法人の「公告方法」について

失敗⑤:役員任期満了後の重任登記を忘れる

理事の任期は最長2年です。同じ理事が継続して務める場合でも、任期満了ごとに「重任」の登記が必要です。

この重任登記を怠ると、登記懈怠として法人代表者個人に過料(最大100万円)が課される可能性があります。

「役員が変わっていないのだから登記は不要」と誤認している法人は意外に多く、設立から数年経って初めて気づくケースもあります。設立時点から任期管理の仕組みを整えておくことをおすすめします。

失敗⑥:設立直後の届出期限を超過

設立登記が完了した後、税務署への設立届出書(2か月以内)、青色申告の承認申請書(3か月以内)などの期限が定められています。

特に青色申告の承認申請が遅れると、設立第1期から白色申告となり、欠損金の繰越控除等の税務上の優遇を受けられません

設立登記が完了したら、登記事項証明書・印鑑証明書を速やかに取得し、各種届出を計画的に進める必要があります。

失敗⑦:実質的支配者の申告書の準備忘れ

一般社団法人の定款認証時には、定款・印鑑証明書だけでなく、「実質的支配者となる方の本人特定事項等の申告書」(通称:実質的支配者申告書)を公証役場へ提出する必要があります。

これは2018年11月30日以降の定款認証から必須となった書類で、犯罪収益移転防止法に基づき、暴力団員や国際テロリスト等が実質的支配者となる法人の設立を防ぐ目的で導入されました。

一般社団法人の場合、実質的支配者の判定は株式会社とは少し異なります。設立時社員(議決権を持つ者)のうち、議決権の25%超を保有する者が原則として申告対象となります。社員2〜4名程度の小規模な設立では、設立時社員全員が申告対象となるケースが多いです。

定款認証の予約を取った段階で、公証役場から申告書の書式や記載方法の案内が来ることが一般的ですが、必要な情報(氏名・住居・国籍・生年月日・職業など)を事前に整理しておくことで、定款認証当日をスムーズに迎えることができます。

なお、申告書には実質的支配者の氏名・住居・国籍・生年月日・性別・職業のほか、暴力団員・国際テロリスト等に該当しない旨の宣誓も含まれます。

失敗⑧:印鑑証明書住所と定款記載の不一致

弊社の実務経験上、定款認証時に公証人から指摘を受けることがあるのが、設立時社員の印鑑証明書の住所表記と、定款の記載の不一致です。

例えば、印鑑証明書では「東京都中央区日本橋小網町1丁目1番1号」と記載されているのに対し、定款には「東京都中央区日本橋小網町1-1-1」のように省略形で記載していた場合、表記の不一致として修正を求められることがあります。

定款には、印鑑証明書に記載されているとおりの住所表記を正確に転記することが基本です。ハイフン省略・丁目番地の表記揺れ・建物名の省略などに注意してください。

失敗⑨:類似名称・既存法人との名称重複

定款の作成段階で法人名称を決定しますが、他法人と類似・同一の名称を使ってしまうケースがあります。一般社団法人の名称には、株式会社のような厳格な同一商号規制はありませんが、次の点に注意が必要です。

  • 同一住所に同一名称の法人は登記できない
  • 不正競争防止法上の問題(既存の有名な法人と紛らわしい名称)
  • 商標権侵害のリスク
  • 業界内での認知・信用面でのデメリット

近年は一般社団法人の数が大幅に増加しており、特に協会・団体系の名称では似たような法人名が複数存在することが珍しくありません。設立前に国税庁の法人番号公表サイトで類似名称を検索し、既存法人と紛らわしい名称になっていないか確認することをおすすめします。

*参考ページ:一般社団法人の「名称」について

これらの失敗を未然に防ぐには

これらの失敗の多くは、設立前の準備段階で専門家に一度ご相談いただくことで防げるものです。

弊社では、設立をご検討の段階からのご相談も、お問い合わせフォームにて承っております。

「自分の場合はどう進めるのが良いか」を整理するだけでも、設立後の安心感が大きく変わります。

行政書士津田拓也行政書士
社労士
津田 拓也

一般社団法人の設立に関するよくあるご質問(FAQ)

一般社団法人を設立するには何人必要ですか?

最低社員2名と理事1名が必要ですが、社員と理事は兼任できるため、実質2名から設立可能です。社員になれる人に特別な制限はなく、夫婦・親子・友人同士での設立もできます。なお、法人も設立時社員になることが可能です。

理事会は必ず設置しなければなりませんか?

いいえ、理事会の設置は任意です。設置するかどうかは法人の規模や対外的信用の必要性等を考慮して決定します。

理事会を設置する場合は、理事3名以上+監事1名以上が必要となるため、最低4名以上の人員が必要です。理事会を設置すると対外的信用が高まりやすい一方、運営面の事務負担も増えます。

主たる事務所は自宅でも設定できますか?

はい、自宅を主たる事務所として設定することが可能です。賃貸事務所・テナント・レンタルオフィス・バーチャルオフィスなど、法人登記が可能とされている場所であれば原則として問題ありません。

ただし、マンション・アパート等を主たる事務所とする場合は、登記前に物件のオーナーや管理組合に「事業用としての利用が可能か」確認を取ることを強くおすすめします。事業用利用が不可の場合、契約違反として退去を求められる可能性があります。

設立時に必要な印鑑証明書は何通必要ですか?

原則として、設立時社員 全員分が各1通、設立時役員(理事)全員分が各1通必要です。それぞれ用途が異なります(社員のものは公証役場、役員のものは法務局へ提出)。

設立時社員と設立時役員が同一人物の場合は、合計2通準備しておきましょう。いずれも発行から3か月以内のものが必要です。

一般社団法人とNPO法人で必要な人数はどう違いますか?

一般社団法人は最低2名から設立可能ですが、NPO法人は10名以上の社員が必要です。

また、NPO法人は所轄庁の認証を得る必要があり、設立に約4から6か月かかります。一般社団法人は登記のみで設立できるため、約3から4週間で設立可能です。少人数でスピーディーに設立したい場合は、一般社団法人が選ばれる傾向にあります。

設立後に必ず行わなければならない手続きは何ですか?

主なものとして、役員任期ごとの「役員変更登記」(理事は最長2年、監事は最長4年)、毎事業年度の決算公告、定時社員総会の開催と議事録作成・保存があります。

特に役員任期に伴う登記は懈怠すると過料の対象となります。一般社団法人は行政の監督を受けない代わりに、自主的・自立的な運営が求められる点にご留意ください。

一般社団法人の設立費用はいくらですか?

ご自身で設立される場合の法定費用は合計で約11万円です。内訳は、公証人による定款認証手数料が約5万円、登録免許税が6万円、登記事項証明書・印鑑証明書等の実費が数千円となります。

専門家に依頼される場合は、これに加えて報酬(5万円〜20万円程度)が別途必要です。設立費用の詳細は本記事の「一般社団法人設立にかかる費用」章をご覧ください。

一般社団法人は何日くらいで設立できますか?

標準的な所要期間は約3〜4週間です。定款の作成、公証役場での定款認証、法務局での設立登記申請を経て、登記完了までを含めた目安となります。

準備が整っていれば、最短で約3週間程度での設立も可能です。なお、法務局へ登記を申請した日が一般社団法人の成立日となるため、登記完了を待たずに法人としての活動を開始できます。

普通型と非営利型はどちらを選べばよいですか?

事業の財源構成によって判断します。会費・寄付金が主な財源の場合は非営利型が、収益事業が主な財源の場合は普通型が向いています。

非営利型一般社団法人では、収益事業に該当しない会費・寄付金等について、法人税の課税対象外となる場合があります。

一方で、会費という名称であっても、特定のサービス提供の対価と評価されるものや、収益事業に関連して受け取る収入については、個別の税務判断が必要です。

詳しくは本記事の「普通型と非営利型の違いと選択の考え方」章をご覧ください。判断に迷う場合は、設立前の専門家相談をおすすめします。

一般社団法人の「社員」と「役員(理事)」は何が違いますか?

一般社団法人の「社員」は、株式会社の「従業員」とはまったく別の概念です。一般社団法人の社員とは、「社員総会で議決権を持つ法人の構成員」を指し、株式会社における「株主」に近い立場と考えると分かりやすいかと思います。

一方、「理事」は法人の業務執行を行う役員です。理事は社員総会で選任され、法人を代表して契約や日常業務を行います。社員=所有者・意思決定者/理事=経営者・業務執行者とイメージしていただくと整理しやすいでしょう。

なお、社員と理事は兼任可能で、小規模な法人では設立時社員がそのまま理事に就任するケースが一般的です。「職員」「従業員」「スタッフ」は、法人と雇用契約を結んで給与を受け取る方々を指す別概念です。

この記事の執筆・監修者

最終更新日:2026年6月10日

行政書士・社会保険労務士 津田 拓也

行政書士法人・社労士事務所MOYORIC 代表

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