一般社団法人設立に関するQ&A
一般社団法人の設立を検討されている方から、実務上よくいただくご質問をQ&A形式で整理しました。 一般社団法人の基本、設立手続き、必要書類、費用、機関設計、非営利型・普通型の違い、設立後の手続きなどを、できるだけわかりやすく解説しています。
▼ 目次
- 一般社団法人とは何ですか?
- 非営利法人とは何ですか?
- 一般社団法人には法人格がありますか?
- 一般社団法人と公益社団法人の違いは何ですか?
- 一般社団法人の名称にはどのようなものが使えますか?
- 一般社団法人はどのような事業を行うことができますか?
- どのような事業内容の一般社団法人が多いですか?
- 一般社団法人を設立するには何人必要ですか?
- 一般社団法人の社員とはどのような人ですか?
- 一般社団法人の社員には法人でもなれますか?
- 理事や監事などの役員には誰でもなれますか?
- 理事や監事の任期は何年ですか?
- 一般社団法人の機関にはどのようなルールがありますか?
- 一般社団法人の定款には何を記載する必要がありますか?
- 定款に記載しても効力を有しない事項はありますか?
- 一般社団法人に資本金は必要ですか?
- 基金とは何ですか?
- 一般社団法人の設立手続きの概要を教えてください。
- 一般社団法人を設立するにはいくらかかりますか?
- 設立前に準備しなければならない書類は何ですか?
- 設立手続きの流れを簡単に教えてください。
- 定款認証は紙・電子のどちらでもよいですか?
- 設立手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
- 主たる事務所はどのように決めればよいですか?
- 設立後に税務関係の届出は必要ですか?
- 一般社団法人は助成金や補助金を受けやすいのですか?
- 一般社団法人は自分でも設立できますか?
一般社団法人とは何ですか?
一般社団法人とは、同じ目的をもって集まった人の集団に法人格を与える法人形態です。「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立されます。
たとえば、任意団体として活動していた同窓会、協会、研究会、学会、業界団体、地域団体などを法人化する場合に、一般社団法人が選ばれることがあります。
一般社団法人は、株式会社のように利益を構成員に分配することはできません。もっとも、売上を上げることや利益を出すこと自体が禁止されているわけではありません。得た利益は、法人の活動資金として翌期以降の事業に充てることになります。
非営利法人とは何ですか?
非営利法人とは、構成員に利益を分配することを目的としない法人をいいます。「非営利」という言葉から、利益を出してはいけない法人と誤解されることがありますが、これは正確ではありません。
一般社団法人は、事業収入を得ることも、利益を出すこともできます。ただし、その利益を社員に配当することはできません。余った利益は、法人の活動目的に沿って、翌年度以降の事業に活用していくことになります。
一般社団法人には法人格がありますか?
はい。一般社団法人には法人格があります。
そのため、法人名義で契約を締結したり、不動産の賃借契約を行ったり、金融機関で法人口座を開設したりすることができます。任意団体と比べると、対外的な信用力を高めやすい点が一般社団法人の大きな特徴です。
もっとも、銀行口座開設等については金融機関ごとの審査があります。当事務所では銀行口座開設そのもののサポート、審査対応、金融機関提出書類の個別確認等は承っておりません。
一般社団法人と公益社団法人の違いは何ですか?
一般社団法人は、法律上の要件を満たして設立する法人です。一方、公益社団法人は、一般社団法人のうち、公益性に関する一定の基準を満たし、公益認定を受けた法人です。
一般社団法人には、公益性までは求められていません。法令や公序良俗に反しない限り、協会、研究会、資格認定事業、福祉・介護事業、会員制事業など、幅広い活動を行うことができます。
本ページでは、一般社団法人の設立を検討されている方に向けて、一般社団法人の制度と設立手続きの概要を解説しています。
一般社団法人の名称にはどのようなものが使えますか?
一般社団法人は、その名称中に「一般社団法人」という文字を用いなければなりません。
たとえば、「一般社団法人○○協会」「一般社団法人○○研究会」「一般社団法人○○学会」といった名称が考えられます。一方で、「一般社団○○法人」のように、「一般社団法人」という文字を分断した名称は適切ではありません。
法人名は、定款や各種手続きだけでなく、設立後の対外的な見え方にも関係します。活動内容が伝わりやすく、かつ誤解を招きにくい名称にすることが大切です。
一般社団法人はどのような事業を行うことができますか?
一般社団法人は、必ずしも公益を目的とする事業だけを行う法人ではありません。法令や公序良俗に反しない限り、幅広い事業を行うことができます。
たとえば、協会運営、会員制事業、研究会・学会、資格認定事業、研修事業、福祉・介護事業、地域活動、ソーシャルビジネスなど、さまざまな事業で活用されています。
ただし、事業内容によっては、行政上の許認可や届出が必要になることがあります。設立前に、予定している事業内容と必要な許認可の有無を確認しておくことが重要です。
どのような事業内容の一般社団法人が多いですか?
一般社団法人は、医療系の学会、研究会、業界団体、職能団体、協会ビジネス、資格認定ビジネス、任意団体の法人化などで利用されることが多い法人形態です。
また、福祉・介護、地域活動、教育、文化、スポーツ、コミュニティビジネスなどの分野でも活用されています。
ただし、どのような事業でも一般社団法人が適しているとは限りません。事業内容、収益の上げ方、会員制度の有無、設立後の運営体制などを踏まえて、法人形態を選ぶ必要があります。
一般社団法人を設立するには何人必要ですか?
一般社団法人を設立するには、社員が2名以上必要です。ここでいう「社員」とは、一般的な従業員のことではなく、一般社団法人の構成員を意味します。
また、一般社団法人には理事を1名以上置く必要があります。小規模な法人では、社員2名・理事1名という最小構成で設立されることもあります。
もっとも、理事会を設置する場合や、非営利型一般社団法人を前提にする場合には、必要となる人数や構成が変わることがあります。
一般社団法人の社員とはどのような人ですか?
一般社団法人の社員とは、法人の構成員のことです。会社の従業員や職員という意味ではありません。
社員は、社員総会において議決権を行使し、法人の重要事項を決定する立場にあります。そのため、法人のオーナー的な存在と理解すると分かりやすいです。
社員となる資格や入退社の手続きは、定款や会員規則等で定めることになります。
一般社団法人の社員には法人でもなれますか?
はい。一般社団法人の社員には、個人だけでなく法人もなることができます。
たとえば、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などが社員となって、一般社団法人を設立することも可能です。
ただし、法人が社員となる場合には、社員となる法人の事業目的と、設立する一般社団法人の事業目的との関係、議決権の持ち方、代表者の関与などを設立前に整理しておくことが大切です。
理事や監事などの役員には誰でもなれますか?
理事や監事は、原則として個人が就任します。法人そのものは、一般社団法人の理事や監事になることはできません。
また、一般法人法等に違反して刑に処せられ、その執行を終えてから一定期間を経過していない人など、法律上、役員になれない場合もあります。
設立前には、誰が社員となり、誰が理事・代表理事・監事となるのかを整理しておくことが重要です。
理事や監事の任期は何年ですか?
一般社団法人の理事の任期は、原則として最長2年です。監事の任期は、原則として最長4年です。
ただし、定款によって理事の任期を短縮することはできます。監事についても、法律上の範囲内で任期を短縮することができます。
役員任期を管理していないと、重任・再任手続きが遅れる原因になります。設立時から任期管理の方法を決めておくことが大切です。
一般社団法人の機関にはどのようなルールがありますか?
一般社団法人では、社員総会と理事を必ず置く必要があります。それ以外に、理事会、監事、会計監査人を置くかどうかは、法人の規模や運営方針に応じて検討します。
小規模な法人では、社員総会と理事のみのシンプルな機関設計で設立することが多いです。一方で、一定の規模で運営する場合や、対外的な信用・内部統制を重視する場合には、理事会や監事の設置を検討することもあります。
ただし、理事会を設置する場合には、理事3名以上と監事1名以上が必要になります。
一般社団法人の定款には何を記載する必要がありますか?
一般社団法人の定款には、少なくとも次の事項を記載する必要があります。
- 目的
- 名称
- 主たる事務所の所在地
- 設立時社員の氏名または名称及び住所
- 社員の資格の得喪に関する規定
- 公告方法
- 事業年度
また、監事、理事会、会計監査人を置く場合には、その旨を定款に定める必要があります。非営利型を前提に設立する場合には、剰余金の分配を行わない旨や残余財産の帰属先など、定款上の記載にも注意が必要です。
定款に記載しても効力を有しない事項はありますか?
一般社団法人の定款には、記載しても効力を有しない事項があります。代表的なものは、社員に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定めです。
一般社団法人は、社員に利益を分配することを目的とする法人ではありません。そのため、社員に剰余金の分配を受ける権利を与えるような定款の定めは、一般社団法人の制度と整合しません。
また、法律上、社員総会の決議が必要とされている事項を、理事や理事会だけで決められるようにする定款の定めなども、効力が問題となる場合があります。
一般社団法人に資本金は必要ですか?
一般社団法人には、株式会社のような資本金制度はありません。そのため、設立時に資本金を払い込む必要はありません。
もっとも、設立後に活動を行うためには、事務所費用、備品、ホームページ、広告、専門家報酬などの運営資金が必要になります。資本金が不要であることと、運営資金が不要であることは別の問題です。
設立前には、設立費用だけでなく、設立後のランニングコストや収入見込みも含めて検討しておくことが大切です。
基金とは何ですか?
一般社団法人には、株式会社の資本金とは異なる制度として「基金」という仕組みがあります。基金は、一般社団法人の活動資金として拠出されるものですが、一定の手続きにより返還を予定することができる点に特徴があります。
もっとも、すべての一般社団法人で基金を設置する必要があるわけではありません。基金を設置するかどうかは、法人の活動内容、資金計画、会員制度、運営方針などを踏まえて検討することになります。
基金を設置する場合は、定款内容や基金拠出契約の整理も必要になります。
一般社団法人の設立手続きの概要を教えてください。
一般社団法人を設立するには、まず社員2名以上が集まり、法人名、事業目的、主たる事務所、社員・理事の構成、普通型・非営利型の選択などを整理します。
そのうえで、定款を作成し、公証役場で定款認証を受けます。その後、設立に必要な書類を整え、法人として成立させるための手続きを行います。
設立前に、予定している事業に許認可が必要かどうかも確認しておく必要があります。福祉・介護、保育、教育、医療関連などの事業では、法人設立とは別に行政上の許認可や指定が必要となる場合があります。
一般社団法人を設立するにはいくらかかりますか?
一般社団法人の設立では、法定費用として、公証役場での定款認証手数料、定款謄本の取得費用、登録免許税などが必要になります。
そのほか、法人印鑑の作成費用、証明書取得費用、専門家に依頼する場合の報酬などがかかります。
ご自身で設立する場合と、専門家に依頼する場合とでは、費用の内訳やご自身で行う作業量が異なります。費用だけでなく、設立までにかかる時間や書類準備の負担も含めて検討するとよいでしょう。
設立前に準備しなければならない書類は何ですか?
一般社団法人の設立では、定款、就任承諾書、印鑑証明書、印鑑届出書など、複数の書類を準備する必要があります。
必要となる書類は、理事会を設置するかどうか、監事を置くかどうか、社員や役員に法人が含まれるかどうかなどによって変わります。
作成済み書類の個別確認・添削・修正案の作成は、個別サポート(業務のご依頼)としての対応になります。
設立手続きの流れを簡単に教えてください。
一般社団法人の設立では、まず設立目的、社員・理事の構成、法人名、事業目的、主たる事務所、事業年度などを決めます。
次に、定款を作成し、公証役場で定款認証を受けます。その後、設立に必要な書類を整え、法人として成立させるための手続きを進めます。
設立後は、法人の状況に応じて、税務関係の届出、社会保険・労働保険の手続き、銀行口座開設の準備、会計管理体制の整備などが必要になります。税務上の個別判断は税理士の専門業務となります。
定款認証は紙・電子のどちらでもよいですか?
一般社団法人の定款認証は、紙の定款でも電子定款でも行うことができます。
株式会社の場合は、紙の定款では印紙税が問題になりますが、一般社団法人の定款は印紙税の取扱いが株式会社と異なるため、「電子定款にしなければ4万円損をする」という関係にはなりません。
実務上は、専門家に依頼する場合、電子定款で手続きを進めることが多いですが、どちらの方法を選ぶかは、手続きの進め方や依頼先によって異なります。
設立手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
一般社団法人の設立にかかる期間は、社員・理事の人数、定款内容、必要書類の準備状況、公証役場との日程調整などによって変わります。
少人数で内容がシンプルな場合は比較的スムーズに進むこともありますが、任意団体の法人化、非営利型を前提とする設計、法人が社員となるケースなどでは、事前確認に時間がかかる場合があります。
設立希望日がある場合は、余裕をもって準備を始めることが大切です。
主たる事務所はどのように決めればよいですか?
主たる事務所とは、法人の本拠となる場所です。株式会社でいう本店所在地に近いものです。
自宅、賃貸オフィス、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなどを主たる事務所とすることも考えられます。ただし、賃貸物件を利用する場合は、法人利用が可能かどうかを事前に確認しておく必要があります。
また、金融機関で法人口座を開設する際には、主たる事務所や実際の活動実態が確認されることがあります。当事務所では、銀行口座開設そのもののサポート、審査対応、金融機関提出書類の個別確認等は承っておりません。
設立後に税務関係の届出は必要ですか?
一般社団法人を設立した後は、法人の形態や事業内容に応じて、税務署、都道府県税事務所、市区町村役場への届出が必要になる場合があります。
普通型・非営利型の区分、収益事業の有無、役員報酬や給与の支払いの有無などによって、必要となる届出や確認事項が変わることがあります。
税務上の個別判断や税務書類の作成・提出は税理士の専門業務となります。必要に応じて、非営利法人に精通した提携税理士をご紹介いたします。
一般社団法人は助成金や補助金を受けやすいのですか?
一般社団法人を設立しただけで、助成金や補助金が支給されるわけではありません。また、一般社団法人だから当然に助成金や補助金を受けやすいということもありません。
助成金や補助金は、支給する側の目的や要件に合致しているかどうかが重要です。法人格そのものよりも、その法人がどのような活動を行い、どのような成果を目指しているかが問われます。
助成金や補助金を前提に法人を設立するのではなく、自立して事業を運営できる見込みがあるかどうかを、設立前に慎重に確認することが大切です。
一般社団法人は自分でも設立できますか?
一般社団法人は、ご自身で設立手続きを進めることも可能です。
ただし、定款の内容、社員・理事の構成、理事会設置の有無、普通型・非営利型の選択、設立後の運営方法などは、設立前に整理しておく必要があります。
「自分で絶対に設立する」という方ではなく、専門家への依頼も含めて検討されている場合は、設立前に方針や進め方を整理しておくことをおすすめします。
なお、ご自身で作成された書類の個別確認・添削・修正案の作成は、個別サポート(業務のご依頼)として承ります。
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