一般社団法人の事業目的変更手続きについて
定款変更が必要
当記事は、これから一般社団法人の事業目的を変更しようと考えている方に向けて、一般社団法人の事業目的変更を行う場合に必要となる手続きについて、解説しております。変更時の注意点なども交えて解説しておりますので、参考にしてください。
一般社団法人の事業目的は、定款の絶対的記載事項にあたりますので、事業目的を変更する場合は定款の変更も伴います。
定款変更決議においては特別決議を経る必要があります。
また、一般社団法人の事業目的は登記事項でもあるので、主たる事務所を管轄する法務局において事業目的の変更登記申請を行います。
事業目的変更時の注意点
一般社団法人が行うべき事業目的に制限はありません。
公益目的事業だけでなく、収益事業を行うことも可能ですし、特定少数に向けた共益的活動を目的とする事業目的の設定も可能です。
法人税法上の優遇を受ける「非営利型法人」に該当する場合でも、収益事業はできます(ただし収益事業は課税対象になります)。
もちろん、目的に制限が無いとは言え一定のルールは存在します。適法性や明確性に反しないように注意してください。
- 「適法性」とは、事業目的が法律に違反していないこと。
- 「明確性」とは、第三者から見ても事業内容が明確にわかること。
また、許認可が必要な事業を行うのであれば、定款の事業目的に適切な目的が記載されている必要があります。
例えば介護事業。一般社団法人で介護事業を行うには、定款の目的に介護保険を利用して事業を行う旨の記載がないといけません。
介護保険法に規定されている介護サービスの中で「ケアマネ」や「訪問介護」を行うのであれば、下記のように記載する必要があります。
- 介護保険法に基づく居宅介護支援事業
- 介護保険法に基づく訪問介護事業
これから行政庁の許認可が必要な事業を行う予定であれば、事前に許可申請先の行政窓口へどのような目的文言が記載されているべきか、確認を行うようにしましょう。
公益社団法人を目指す場合は安易な目的変更は避けましょう。公益社団法人は、公益目的事業を行うことを主たる目的としなければならない旨、法定されています。従って、自由きままに目的を決めることはできません。
公益社団法人の移行認定に向けて、事業目的の変更を行う場合は、専門家などの意見を聞きつつ慎重に目的を定めてください。
*参考ページ:定款目的のサンプル・ひな形
公益目的事業とは
「学術、技芸、慈善その他の公益に関する(同法の)別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」を言います。
別表各号の23事業は下記の通りです。
- 学術及び科学技術の振興を目的とする事業
- 文化及び芸術の振興を目的とする事業
- 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
- 高齢者の福祉の増進を目的とする事業
- 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
- 公衆衛生の向上を目的とする事業
- 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
- 勤労者の福祉の向上を目的とする事業
- 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業
- 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
- 事故又は災害の防止を目的とする事業
- 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
- 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
- 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業
- 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
- 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
- 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
- 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
- 地域社会の健全な発展を目的とする事業
- 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
- 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
- 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
- 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの
※公益社団法人でも、収益事業や共益事業を行うことは可能ですが、あくまでも従たる扱いとしてであり、公益目的事業の実施に支障を及ぼす恐れがあるようなものはNGです。
事業目的変更手続きの流れ・フロー
- STEP1 社員総会の招集
- STEP2 社員総会の開催(事業目的変更のための特別決議を経る)
- STEP3 主たる事務所を管轄する法務局への登記申請
事業目的変更登記に必要となる書類
- 変更登記申請書
- 社員総会議事録
※法人の概要によって書類の種類は変わります。
社員総会議事録に記載する議案の例
第●号議案 定款一部変更の件
議長は、平成●●年●月●●日をもって当法人の事業目的を改めたい旨説明し、次の通り変更することの可否を議場に諮ったところ、満場一致をもって可決確定した。
(事業)
第●条 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を営む。
- 学術集会の開催
- 各種研修会の開催
- 学術出版物その他の刊行物の発行
- 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
事業目的変更登記に必要な登録免許税(法定実費)
30,000円
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