一般社団法人の社員について
まずはじめに、一般社団法人でいう「社員」とは、社会一般的にいう「従業員」ではありませんのでご注意ください。
一般社団法人の「社員」とは、社員総会において議案を提出したり、その議決に参加し、議決権を行使する者を言います。
簡単に言いますと、株式会社でいう「株主」に似た立場になります。
社員総会は、一般社団法人の重要事項を決定する最重要機関となりますので、その議決権を持つ「社員」は一般社団法人のオーナー的立場といっても過言ではありません。
一般社団法人の定款を変更したり、社員の退会を求めたりできる票を持つ重要な機関となります。
尚、一般社団法人の設立においては、社員は2名以上必要となります。これが社団(人の集まり)と言われる所以です。
※社員は個人だけでなく、法人や団体でもなれます。
*参考ページ:一般社団法人の「設立時社員」とは
社員の資格、入社
社員2名以上で一般社団法人を設立しますが、設立後に社員となるための資格や入社手続きを定めておくことになります。
一般社団法人の社員になるために、法律で何か特別な条件が定められているわけではありません。
社員の資格や入社については、法人が定款で自由に決めることができるようになっています。
株式会社などとは異なり、入社する際の資格について一定の制限を設けることもでき、法人の性質に応じた資格要件を定めることができます。
例えば、医療系や資格系の団体であれば「○○の資格を有する者」、同窓会などの団体であれば「○○大学の卒業生」、同業の団体であれば「○○業を営んでいる者」などと規定することができます。
入社制限を設けなくても、入社する方法のみ定款に定めておくことも、入社するには代表理事の承認を要すると定めておくこともできます。
また、法人運営に係る経費を負担することや入会金・会費などの規定をおくこともできます。
【定款記載例】
(入社)
第○条 当法人の目的に賛同し、入社した者を社員とする。
2 社員となるには当法人所定の様式による申込みをし、代表理事の承認を得るものとする。
(会費)
第○条 社員は、当法人の目的を達成するため、それに必要な経費を支払う義務を負う。
*参考ページ:一般社団法人の経費は誰が支払う?
社員の退会や除名はできるのでしょうか?(社員の資格の喪失)
一般社団法人の社員がその資格を失うには、任意退社、法定退社、除名の3つがあります。
一般社団法人の社員は、定款でどんな制限を設けても、やむを得ない事由がある場合はいつでも退会・退社(一般社団法人の社員ではなくなる)できます。
これを任意退社といいます。
また、法律が定めている事由によって社員の意思にかかわらず自動的に退社することになる「法定退社」があります。
法定退社事由に該当すると社員の資格を失います。
本人の意思による退会以外の退会理由(一般社団法人法第28条及び29条)
- 定款で定めた事由の発生
- 総社員の同意
- 死亡又は解散
- 除名 *
* 除名とは、正当な事由がある場合に限って、社員総会の決議によってその社員を退会させることを言います。除名する場合は、一週間前までにその社員に通知のうえ、弁明の機会を与えなければなりませんのでご注意下さい。
また、上記は法定退社として法律で定められた退社事由ですが、それ以外に社員の資格を失うケースを定款で定めておくこともできます。
よく規定されるのが、会費の滞納規定です。会員制度を設けた一般社団法人では、会員に入会金や会費の支払いを求めることができます。
一定期間以上、会費を支払わない会員は社員資格を喪失するという定めをおくことができます。
【定款記載例】
(会員資格の喪失)
第○条 会員は、次のいずれかに該当するに至ったときは、その資格を喪失する。
(1)会費の納入が継続して1年以上されなかったとき。
(2)総正会員が同意したとき。
(3)当該会員が死亡し、若しくは失踪宣告を受け、又は解散したとき。
*参考ページ:一般社団法人の社員を退社するには
「社員名簿」とは?
一般社団法人は、社員名簿を作成し、その主たる事務所に備え付けておかなければなりません。
社員名簿には、社員の氏名、名称、住所を記載します。社員の入退社の変動や住所の変更は、この社員名簿に記録されることになります。
尚、社員は、一般社団法人の業務時間内であればいつでも正当な理由を明示してその社員名簿の閲覧を請求することができます。
*参考ページ:一般社団法人の「会員名簿」について
社員の権利にはどのようなものがある?
一般社団法人の社員には、社員総会の議決権以外にも様々な権利が与えられています。
- 社員総会の議決権
- 社員総会の招集請求権
- 社員総会の議題・議案提案権
- 定款・社員名簿・社員総会議事録・理事会議事録・会計帳簿等の閲覧請求権
- 社員総会の検査役の・業務執行の検査役の選任申立権
- 理事の違法行為の差止請求権
- 責任追及(代表訴訟)・設立無効・設立取消・社員総会決議取消・役員の解任の訴えの各提訴権 etc
*参考ページ:社員総会とは?
このように、一般社団法人の社員には大きな権利があります。
一般社団法人を設立するには2名以上の社員が必要になりますが、人数集めのみの目的で社員を招聘するのは避けましょう。設立後の法人運営を円滑に行うためにも、設立時社員は意思の疎通が密に取れるメンバーで構成するとよいでしょう。
*参考ページ:一般社団法人の社員と職員の違い





